ご相談
Yさん(20代・看護師)お世話になります。
面接のコツについて教えてください。
今回、ご縁(知人からの紹介)があって某有名病院の面接を受けることになりました。
でも大勢の人が面接を受けると聞きました。
面接も難しいと噂になっているような病院です。
本番まで1週間後ですが、今から緊張しています…。
でも正直、破格の好待遇のため、是が非でも内定が欲しいです。
面接の対策本を読みまくっています。
ただ心配です…。
もし不採用なら、おとなしくハローワークの求人に応募する予定ですが…。
こうした人気病院の面接のコツなどありましたら、教えてください。
どうぞよろしくお願い致します。
回答
T.Aさん(30代・看護師・面接官)こんにちわ。
緊張しますよねー。
面接の対策本を読んでも、本当に大丈夫なのか心配になるのも、無理ないと思います。
私も何度か転職しており、今の病院はかなりの難関だったため、お気持ちお察しいたします。
さてさて。
私は看護師業務のかたわら、中途採用の面接官も兼務しております。
うちの病院は結構な人気病院のため、2回面接があります。
そのうち1回目を私たち現場の看護師が、2回目を人事部が行っています。
ちなみにどのくらい人気なのかと申しますと…。
1名の募集に数十人が集まるくらいです。
(詳しくは後で)
と。
私に丁度良いご質問だったため、回答してみます。
面接のコツは3つです。
・コツ1:対策をする
大前提として、面接対策は必要です。
目標に対して、しっかり準備できるかどうかが分かるからです。
ちぐはぐ、あいまい、優柔不断など、明らかに準備不足の方は大きなマイナス点です。
面接で9割聞かれるような「経歴や長所、短所、志望動機」などを即答できない方も、大きなマイナス点です。
「すみません。病院のホームページを見たことが無くて…」というのは論外です。
調査して、勉強して、自分なりの答えを事前に出しおく。
病院のホームページをしっかり見て、面接本を1冊は読んでおき、答えをあらかじめ準備しておきましょう。
これは医療現場だけではなく、社会人として必要な能力です。
それにしっかり準備されている方は、面接官としても嬉しいです。
・コツ2:正しく説明できる
看護師は説明能力が求められます。
患者さんに対しても、同僚に対しても、上司に対しても。
実際の看護も大切ですが、正しく説明できる力がないと、現場のチーム力が落ちてしまいます。
特に医療現場では「事実と意見を分けているか?」が重要です。
これが出来てない人がいると、チームのインシデント確率が高まるからです。
これを確認するのは簡単です。
事実と意見を分けて聞くだけです。
事実を聞いたのに、意見を言うとNG。
意見を聞いたのに、事実を言うとNG。
具体的には「経歴をかんたんに事実説明してください」と聞いています。
ここで事実に加えて、意見を言ってくる人もいます。
例えば「〇〇病院で2年働きました。とても良い経験を積めたと思います」と。
「良い経験を積めたと思います」は、主観であり、個人としての意見です。
こうした時は「まずは事実だけをかんたんに説明してください」と再度促します。
ここで気が付く人もいますが、相変わらず「~と思います」「~と感じました」と理解できない方は、残念ですが2回目の面接に進むことはできません。
実際に面接をして一緒に働くと分かりますが、事実と意見を分けて発言する方は、意思疎通が楽です。
互い違いがほぼ無いですし、看護記録や報告書も分かりやすいですし、患者さんへの説明も上手です。
事実と意見は必ず分けましょう。
そのメリハリだけで、説明力はグーンと伸びます。
・コツ3:看護力がある
これは面接で見極めるのは難しいです。
しかし最低限として、「技術を理解しているか?」は分かります。
例えば、
「どんな業務が好きですか?」
「それは、効率的ですか?」
「それは、安全ですか?」
「それは、品質が高いですか?」と。
切り込んだ質問に対して、具体的な回答が返ってくるかどうかを見ています。
技術を理解している方にはさらに、
「その業務は、問題点がありますか?」
「その業務は、もっと良くできますか?」
「その業務は、この病院でも使えそうですか?」
問題解決への姿勢、解決能力を確認します。
問題の把握方法、分解、応用まで話していただける方は、実際に活躍される方が多い傾向です。
ご自分の業務を、理論的に話せるよう頭の中でイメージしておきましょう。
最後に
正直、これらの面接対策は面倒ですよね。苦手な方もいるでしょう。
でも「これくらいの対策をしてくる看護師が欲しい」という、病院側の意思表示でもあります。
そのくらい強気の求人を出しています。
好待遇のため、勝手に看護師が集まってくる病院ですからね。
例えばうちの病院は、地域でもかなりの好待遇です。
20代で年収500万円を超えますし(手取り40万円という子も)、主任クラスで700万、師長は1000万以上です。
人が辞めないので、看護師不足とは無縁です。
仕事は余裕がありますし、有休を取りやすいですし、残業も少ないです(むしろ残業代欲しさに委員会を掛け持ちする人も)
Yさんの面接は、絶好のチャンスだと思います。
無駄にしないで欲しいのです。
好待遇の病院に入職できれば、人生がかなり楽になると思います。
待遇は、病院によって天と地ほどの差があるのを知ってください。
生涯賃金に換算すると、家1軒以上の差になります。
ちなみにハローワーク求人はダメです。
完全なる売れ残りです。
年中求人を出しているのは、それなりの理由があるからです。
私なら絶対に応募しません。
まだ在職中であれば、安易にハローワークに走らず、次の機会を狙います。
それか転職サイトを検討します。
例えばうちの病院は、一般応募だと人が集まりすぎて収拾がつかないため、転職サイトに求人を一任しています。
選考の手間もグッと減りますし、病院の希望に近い方だけを紹介してくれます。
私は職業柄、他院の人事の方とも交流がありますが、たいていの好待遇と言われている病院(儲かっている病院)は、求人業務を転職サイトに外注しています。
もちろん転職サイトは、求人費用が掛かります。
(看護師1名採用で30万~80万円)
が、トータル的には割に合っています。
選考コスト、間違った人を採用してしまうリスク低減、その後の定着率など。
看護師不足の時代ですが、好待遇の病院は全く困っていません。
そうした病院ほど、求人は表に出てきません。
職員からの紹介か、転職サイトのクローズ求人のみです。
面接ガンバッテください!
チャンスをものにして(^^)