看護師の皆さんこんにちわ。
ミツコ@透析ナースです。
「また患者さんから怒られました…」
「もう辞めたいです…」
先日、後輩から相談を受けた。
透析クリニックは患者さんとの関係が重要。
患者さんとは長い付き合いになるから。
良い関係ができれば、働きやすい職場になる。
しかしその一方、ちょっとしたことで罵倒されるのが透析ナース。
怒られた瞬間はやはり怖く、何日間か引きずり、患者さんと顔を合わせるのが嫌にもなる。
もちろん落ち込んでばかりはいられない。
何とか自分を奮い立たせなくてはいけない。
しかしどうしても立ち直れないときもある。。。
今回は、初めて透析に転職した私のお話。
患者さんからの罵倒
私は新卒からの5年間、急性期病棟で働いた。スタッフや患者さんとの関係も良好で、割と楽しく働けていた。
でも今後の将来を考えて、5年という節目に転職を決意した。
退職の2週間ほど前から、沢山の送別会を開いてもらった。
当時の職場、転属前の職場、同期連中、仲良しグループ、委員会で気が合った人達、学校時代の看護仲間。
「さみしくなるー!」「先輩好きですー!」「また戻って来いよ!」と皆から言われ、今思えばこの時が人生の絶頂期だった(+o+)
(盛り上がった送別会。この後に一転…)
次の職場は透析クリニック。
透析は初めてだった。
看護師5年目でも、透析では新人である。
最初は穿刺をさせてもらえず、針を患者さんの身体から抜く透析後の返血業務から入った。
返血も難しい。
止血バンドを2箇所(針を二箇所刺すので)固定するのだが、バンドを巻く強さは患者さんの好みがハッキリ分かれる。
患者さんから嫌味を言われながらも学んでいった。
そんなある日のこと。
転院してきて間もない男性患者さんの返血業務に入った。
少し癖のある患者さんだったため、いつもより慎重に処置をした。
でも最後に針を抜き止血バンドを巻こうとした時、異変は起きた。
バンドを巻くときに「きつさはどうですか?」「これで大丈夫ですか?」と確認した。
「少しきつい」との返答があり、少し緩めた。
再度「これはいかがですか?」と声をかけた。
すると患者さんは突然、
「もういいよ!ダメだ!」
「お前はバンドのひとつもちゃんと巻けないのか!」
「新人は俺の所に来るな!」
と透析室全体に響き渡る大声で怒鳴り始めた。
以前にもその患者さんの返血業務を行なったことがあった。
その時は何事もなく、今回も同じようにバンドの強さや声かけをしたつもりだった。
もちろんたった一度で患者さんの好みの巻き具合にできることはない。
それでも慎重に対処したはずだった。
だが予想外の怒号に、私はかなりのショックを受けてしまい、あろうことかその場で泣いてしまった。
※泣くのはダメですよね。。。猛反省です<(_ _)>
すぐに男性の技師主任が駆けつけてくれた。
それでも患者さんは大声を上げ続けていた。
騒ぎを聞きつけた師長も来てくれたが、あいかわらずの興奮状態。
しまいには院長まで駆けつける結果に。
「ほかの部屋で話しましょう」
と院長が提案するも患者さんは
「そんな必要はない!迷惑なのはお前達だ!」の一点張り。
しまいには周りの患者達さんが「そんな言い方するな!」「そういうおまえが迷惑患者なんだよ!」と参戦し、患者さん同士の口論にまで発展。
患者さんを引き離し、何とかその場は収まるものの、怒りの収まらない患者さんはそのまま別のクリニックへ転院。
私は、院長と師長からお説教。
今後は、返血業務から離れることに。
穿刺の準備や後片づけなどの雑務をやることになった。
あのときバンドを緩くすべきだったのか、強く締めるべきだったのか、それとも他の問題があったのか。
これは今でもわからない。
(透析の様子。患者さんも大変…)
でも気持ちを切り替えようと思った。
頑張ってまた返血作業に戻りたいと思った。
でも例の一件から師長が冷たくなった。
以前のように教えてくれることもなくなり、話もあまり聞いてもらえなくなった。
周りのスタッフにも変化があった。
明らかに避けられるようになった。
シフトが私と被っていると師長に不満を言っているのが聞こえた。
無理もない。
穿刺も返血もできない看護師は足手まといでしかない。
申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
こういった時はどうしても孤独感が強くなってしまう。
ダメだと分かっているのに人を避けるようになってしまう。
休憩室に居づらくなり、昼食は自分の車の中で食べるようになった。
しまいには休憩を取るのが苦痛になり、休まずに働き続けた。
それに頑張って働いていれば、また返血業務に戻れると思っていた。
そうなればまた以前のように働けると思った。
でも、例の罵声が頭から離れず「また怒られるのでは」という恐怖が常にあった。
患者さんに対して、消極的になってしまっていた。
会話を避け、できるだけ難しい処置をしないで済むよう逃げていた。
そんなある日。
患者さんから「態度が悪い」と面と向かって注意を受けた。
予期せぬ注意に私は固まってしまった。
そんな私の姿が反抗しているように見えたのか、患者さんは「その態度が悪いって言ってるんだよ!」と怒鳴った。
足が震えた。
師長と技師主任が駆けつけてきた。
幸いにも患者さんはすぐに冷静になってくれた。
「キツク言い聞かせておきますので」
師長はそう言っていた。
でも何も言われなかった。
もう諦められていると思った。
転職を考えるようになった。
(楽しかった新卒時代。あの頃に戻りたかった…)
次の転職先は、病棟、外来、クリニック、透析室など色々考えた。
前回の透析室は、人間関係に失敗した。
透析患者さんとのトラブルはトラウマになっていた。
周りが誰も助けてくれない状況で働くのは、怖くて心細かった。
「また失敗したら…」
そう考えると、透析室への転職は怖かった。
でも基本的に透析室の待遇は良い。
それなりに貰えるお給料、定時帰宅、夜勤なし。
仕事は変化が少なく安定しており、将来結婚して子供を作っても働きやすそうだった。
その後
また透析室で働くことにした。決断は正しかったと思う。
意外なほどスムーズに働けている。
もちろん患者さんとの関係は、相変わらず難しい。
嫌味を言われたり、担当を拒否されたり、大きな声で怒られたり。
いまだに患者さんからダメ出しを受けてしまう(+o+)
でも困ったときは、必ず誰かが助けてくれる。
(準備中の院内。良い職場に巡り合えた)
新人スタッフには、必ず上司や先輩が着いてくれる。
敏感な患者さんには、周りのみんなが目を光らせサポートしてくれる。
トラブルが起きても、すぐに上司が割って入ってくれる。
患者さんとの交渉も上手。
「私も真似してみよう」と本当に勉強になる。
「大丈夫。大丈夫。何かあったらすぐ相談してね」
これは上司の口癖だが、すごく安心できて勇気づけられる言葉だと思った。
仕事ができて、人を引っ張る力もあり、守ってもらえる安心感もある。
いつかはこんな看護師になれたらなと、意識低い系の私でも憧れてしまう。
こういった人が上の立場にいると、職場の空気もそれに同調して穏やかになっている。
患者さんから怒られて凹んでも、そのたびに周りが励ましてくれる。
「大丈夫、大丈夫」
「私もそうだった」
「前にこんな大変なことがあった」
辛いことがあってもすぐに気分を切り替えられる。
(沖縄の古宇利島。スタッフが多いため有給が取りやすく、夏は毎年1週間休みを取り通っている)
(職場結婚した先輩夫婦の新居。技師と透析ナース。世帯年収1300万円ほどあるそうで。透析は職場次第で給料が良い。出会いも多い)
透析で働きたい方へのアドバイス
私は転職で一度失敗をした。でもあのクリニックは評判の透析室だった。
いち早く新しい手法を取り入れ、スタッフの技量も高く、患者さんからの信頼も厚かったと思う。
しかし私には向いてない職場だった。
透析未経験者に厳しい職場だった。
「私ならやっていけそう」という根拠のない自信というやつで、自分のレベル以上の職場を選んでしまった。
「職場選びを間違えてしまった」という後悔が残った。
透析室は病棟以上にスタッフ間の連携が大切になる。
透析初心者ほど、そうした連携が取れている職場を選んだ方がいい。
しかし問題は、良い職場ほど求人がない。
未経験者にやさしい病院ほど、看護師が辞めない。
もし求人が出てもすぐに埋まってしまう。
良い職場ほどコネで決まる。
「知り合い経由」で探すのが一番だと思う。
(今の職場のスタッフはほとんどが紹介がらみ)
初めて透析室で働くなら、知り合い経由の転職が一番確実
友達、知人、元同僚、ナース仲間、先輩後輩、SNS、看護学校の先生、人材紹介。
恥を捨て、色んな人に相談したほうがいいと思う。
良い話ほど、意外な所から来る。
例えば私は、たまたま登録した転職サイトの担当者の方が予想外に優秀で、未経験者向けの透析室というのがあるのを教えてくれ、そうした病院を色々と紹介してくれ、おんぶにだっこでとんとん拍子に話が進み、今の透析室に入職できた。
(担当者の山川さん。普段は電話とメールのやり取り。面接前に初めてお会いしたけど、とても親切な女性だった。いまも年賀状が届く)
人気クリニックに入職できたのは、担当者の方のコネもあったのだが、公開前の求人を紹介してもらい、いち早く応募できたメリットもあった。
良い仕事は早い者勝ち。
毎日誰かがラッキーに巡り合えている。
転職サイトは、とりあえず登録だけしておけば、条件に合う求人が出たらすぐに連絡をくれる。
サイトは「看護roo!」がオススメ。
ナース専門の大手だけあって、透析室の求人は一番多かった。
それに20代や30代の若手ナースに力を入れているらしく、初めてでも親身に相談に乗ってくれ、安心して利用できた。
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いい職場はなかなかない。
だからこそ自分一人の力では難しいこともある。
焦らず、まずは今できる事から!
応援してます!
ヽ(^o^)丿
(愛犬のシロジローと散歩。夏は明るいうちに帰宅できる)