コルセン10年の看護師が教える、クレーム対応のコツ

看護師の皆さん、こんにちわ。
ヤマザキ・カヨコ(41)です。

みなさんは、患者さんからクレームを受けたことありますか?

「何だあの看護師は!」
「担当を変えてくれ!」
「話にならん!責任者を呼べ!」

クレームを受けると、心が滅入ってしまいますよね。
患者さんとの関係も悪くなり、仕事にも影響が出てしまいます。

そこで今回は、10年のコールセンター勤めで鍛えた「クレーム対応のコツ」を書いてみたいと思います。


クレーム対応の流れ

・心情を察する
・お詫びする
・事実確認
・解決策を伝える
・お詫びする
・感謝する



心情を察する

クレーム対応は、最初の1分で勝負が決まります。
まずは患者さんの気持ちを理解する。

これが一番大事です。

NG例)
患者さん:このテレビカード使えないじゃない!見たい番組があるのに!
看護師:それ逆向きに入れていますよ

クレームの初期対応では「こうしたらいい」と言ってしまいがちです。
でも解決を急ぐと、怒りがそのまま残ってしまい、次のクレームに発展してしまいます。

患者さんは、ご自分なりに試し、色々と手間をかけています。
まずはその手間を察する必要があるのです。


お詫びする

「それは困るよね、ごめんなさい」
「嫌な思いをさせてしまって、ごめんなさい」

まずはお詫びから入り、患者さんの話を聞き出すのが大事です。

「そうなのよ。さっき買ったテレビカードなのに全然映らなくて」

「うんうん」
「そうなんですか」

相づちしながら聞くのも大切なポイントです。
ただし「そうですよねー、そうですよねー」と同じ相づちを連呼すると、「バカにしてんのか!」と怒りに油を注いでしまいます。
相づちはバリエーション豊かに。

また何に対しても「すみません」と謝る看護師もいますが、それはNGです。

この時点で謝るのは「不便さ」や「嫌な思い」に対してです。
デタラメな事実や、自分勝手な理論を認めてしまうと、クレームがエスカレートしていきます。

事実に対して謝るのは、事実確認を済ませてからにしましょう。


事実確認

クレームの内容を確認していきましょう。
いつ、どこで、誰が、何を、どのように、どのくらい、を順番に聞いていきます。

「いつから映らないのですか?」
「どのように操作しましたか?」
「カード残高はどのくらいですか?」

質問はシンプルに分かりやすく的確に。
余計な質問、意図が分かりづらい質問は、さらなる怒りに繋がります。

なぜ問題が起こったのか?
患者さんは何に対して怒っているのか?
何に不満を感じているのか?
どうしたいのか?

これらを聞き出してきましょう。

患者さんは怒りで興奮していることも多々あります。
しかし「冷静な対応」が大切です。

ドラマのような熱い言い合いは、事態を悪化させるだけです。
患者さんがどんなに汚く、言ってはいけない言葉を使っても、普段通り冷静に。


解決策を伝える

事実が分かれば、解決策を伝えましょう。

もちろんすぐに解決策を出せないこともあります。

そんな時は「師長に相談し、◯◯時までにお返事します」と伝えましょう。
具体的な時間指定をするのがポイントです。
患者さんが「放置されている」と感じてしまうと、怒りはさらにエスカレートするからです。

また約束の時間までに解決できなかったときは「こういった理由でまだ検討中です。◯◯時にまた報告に来ます」と、今の状況と今後の予定を伝えましょう。

また時間を区切るメリットとしては、怒られる時間が短くて済む点です。
長時間の罵倒は、精神的に大きな負担になりますからね。

これは意外とバカにできません。
コールセンターを退職理由No1は「長時間のクレームに耐えられない」でしたから。

看護師仲間でもしつこいクレームに悩んで辞めた人はいますからね…。
私から見ても強い人だと思っていたのですが、それでも退職していきます。

長時間のクレームは精神的な破壊力が特大なので、意識的に気を付けましょう。


お詫びする(再度)

最後には、もう一度お詫びをしておきましょう。

「お手間をおかけして、ごめんなさい」

最後まで気を抜かず、しっかりと対応しましょう。
人間には「最後ほど印象に残る」という特性がありますので。
終わりよければ、全てよしです。

何よりも自分に自信が付きますよね。
クレーム対応力もドンドン上がっていきます。

最後に気を抜き「ハァー…」とため息を吐いてしまい、患者さんが大爆発した。といった事例もありますので(^^;)


感謝

クレームは「自分のいたらない点」を教えてくれるものです。
「あのクレームがあったから成長できた」というエピソードは、誰にでも1つや2つありますよね。

クレームをうまく解決できた時は、患者さんへの感謝も忘れないようにしましょう。
それがクレームを解決するコツでもあり、成長し続けるコツでもあります。


クレームが解決しない時は?

「患者さんの怒りが収まらない…」

どんなに慣れた人でもクレーム対応に失敗することはあります。

そんな時は3つの方法があります。

・人を変える
・時間を変える
・場所を変える

クレームは対応者を変えるだけでうまくいくことがあります。
例えば「院長が対応したらすぐに収まった」、といったことがよく起こります。

これは「私のために偉い人が出てきた」といった自尊心を満たせるからです。
それに人間は、誰もが少なからず、権威に従う性質を持っていますからね。

また男女の相性もあります。
男性には女性スタッフが、女性には男性スタッフが説得しやすいと言われています。
特に年配の方ほどその傾向が強くなります。

時間を変えるのも有効です。
ちょっとクールダウンすると、コロッと怒りが収まったりもします。

あと場所も意外と重要です。
周りに人がいると「引っ込みがつかなくなる」という心理になるからです。

患者さんの怒りが収まらない時は「人、時間、場所」を変えてみましょう。


それでも怒りが収まらない時は?

しかしクレームには、上記の対応で済まない患者さんもいます。

モンスタークレーマー、ガチクレーマーと呼ばれる方々です。

理論的な話が通じず、誠意のかけらもない方もいます。
中には、悪意のある方もいます。
二度と関わりたくないような「やばい」方もいます。

この方々に対処するテクニックはあります。

しかしその使用はおすすめできません。
人間を辞めるレベルで、頭のネジを100本くらい外さなくてはいけないからです。

私がコールセンターを辞めて看護の道に進んだのは、そうした対応をしているうちに「人様に言えない仕事」になってしまったからです。


ではどうするか?

そもそもクレーム対応は、個人ですべきではありません。
病院という組織が中心になり対処すべきです。

アメリカのように専門のクレーム対応チームを持つのも良い方法です。

しかし日本の病院では、クレーム対応が個人に任されています。
もちろん問題が小さなうちは個人対応するのが効率的でしょう。

しかしすぐに解決しないようなクレームは、人の精神を破壊してしまう威力があります。

これは大げさではなく、悪意あるクレームは本当に簡単に人の心を壊します。
私はコールセンターで心を壊してしまった人達を大勢見てきました。

病院も同じです。
患者さんからのクレームで辞めていった人は、私が看護師になってからの5年間で10人以上見てきました。



クレーム対応が上手な職場、ヘタな職場

初期クレームはスタッフが対応。
少しでもこじれたら上司が対応。
それでもダメならさらに上が対応。

こじれたとき、上司が矢面に立つ職場は、離職率が低いと言われています。
また「お客さんよりも、スタッフを守る」という意識がある職場も同様です。
スタッフが安心して働けると、良いサービスを提供できるようになり、それが巡り巡ってお客さんに還元されますからね。

病院も同じです。
困った時、すぐに誰かが駆けつけてくれる職場は、働きやすいものです。

そうした職場を作るには、上司が率先して行動すればいいのです。
その姿を見た周りのスタッフが、それを真似してくれるからです。

逆に上司が助けない職場は、誰も助けてくれない雰囲気になってしまいます。

そうした職場で働くのは、不幸でしかありません。


まとめ

クレーム対応は手順です。
相手の気持ちを知り、謝罪し、解決策を提示し、誠意が伝わるようにしましょう。
それでもダメなら「人、時間、場所」を変えてみましょう。

それでもダメなら、それ以上はあなたの責任外です。
あなたの本来の仕事から逸脱しています。

もしそれを「あなたの責任」とされるのであれば、あなたは運悪く職場選びを間違えたのです。
もっといい職場を探しましょう。

それにクレームの頻度は、地域や患者さんの疾患にも変わります。
例えば治安の悪さと、クレームの量が比例するといったデータもあります。

毎日のようにクレームを言われていた看護師が、転職をしたらピタリをクレームが止んだ、ということもあります。

病院選びは、まず知人友人に病院の内情を聞いてみましょう。
どんな患者さんがいるか、クレームの頻度は、その対応方法は、クレームが評価に与える影響は、師長や病院のスタンスは。

そうした友人がいない方は、転職サイトのカウンセリングで病院の内情を聞いてみまししょう。
例えば大手の転職サイト「看護roo」は、電話でのカウンセリングをしており、その時に病院の事細かな情報を教えてくれます。

看護rooの詳細はコチラを参照ください→公式サイトへ

クレームで悩んではいけません。
心は簡単に壊れてしまいます。

あなたが悪いわけでないのです。
運悪くそういった病院を選んでしまっただけなのです。